介護療養型医療施設では医療と介護の両方が受けられたため、誰もが利用する可能性のある施設として注目されていた。そのため、高齢化が進むとともに介護療養型医療施設の数はだんだんと増えていたが、2017年度末をもって廃止してしまったのだ。介護療養型医療施設の廃止は突然に決まったのではなく、以前から介護療養型医療施設について問題点が取り上げられていたのだ。2006年に厚生労働省が発表した医療構造改革の中で、医療を必要としない高齢者の利用があると問題視されていたのである。施設内に医療の必要性の高い患者と低い患者が混在している状況が続き、本当に医療的ケアが必要な人が入所できないケースが発生してしまうのだ。こうした背景を受けて、2011年度末での廃止が一度検討されたのだ。しかし、新制度における施設の転換が順調に進まなかった事情もあり、2017年度末まで延期された。

2018年4月からは新制度に移行されて、新しく3種類の新施設が稼働することになった。1つ目は1型の介護医療院だ。これは施設基準が従来の介護療養病床に相当する。つまり容体が急変するリスクが高い人の新しい受け入れ先である。2つ目は2型の介護医療院だ。この施設基準は、従来の介護老人保健施設に相当する。対象は比較的病状が安定していて、入院治療の必要がない人である。3つ目は医療外付け型施設だ。これは医療機関と有料老人ホームが合わさったものである。医療の必要性は多様だが、容体は比較的安定した人が対象となる。また2型の介護医療院よりも、自立度が高い人を受け入れている。